AGAの薬による副作用について解説!安心して治療を進めるために

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薄毛を飲み薬や塗り薬で治療できるようになった昨今。フィナステリドやミノキシジルなど画期的な治療薬は、AGAで悩む方にとって身近な薬になりました。一方で副作用について懸念している方が多いのも事実。どんな薬にも副作用はつきものですが、今回はフィナステリド(プロペシア)デュタステリド(ザガーロ)ミノキシジルの3つの薬の副作用について徹底調査しました。

AGA治療薬を使ってみたいけど副作用が心配な方、市販の外用薬をすでに使用しているけど、副作用大丈夫なのかな…などもっと知りたいという方の参考になれば幸いです。

目次

AGA治療薬で報告されている副作用の種類

フィナステリド、デュタステリドとミノキシジルは薄毛へのアプローチ方が全く異なるので、両者を分けて副作用を見ていきます。

フィナステリド、デュタステリド(内服薬)による主な副作用

体毛の変化

AGAの大きな要因である男性ホルモン、ジヒドロテストステロンは体毛(特に胸毛や腹毛など)にも影響を与えるため、副作用として体毛の変化が発生する可能性があります。

性欲減退、勃起不全(ED)、精液量の減少

性欲減退、勃起不全(ED)、性液量の減少といった性機能障害が報告されています。初期症状としては、性的な欲求の低下や、勃起の維持が難しくなる、性交時や射精時に精液の量が少なくなると感じることがあります。

精神的な影響

抑うつ感や不安感の増加、気分の変動が起こることがあります。

乳房の痛みや腫れ

まれにですが、男性において女性化乳房(胸部の腫れや痛み)が発生することがあります。

ミノキシジル(外用薬・内服薬)による主な副作用

頭皮のかゆみ、赤み、乾燥

外用薬の影響で頭皮が敏感になり、かゆみや炎症を起こすことがあります。

低血圧

ミノキシジルの血管拡張作用により、まれに低血圧やめまいが生じることがあります。

多毛症

頭皮以外の部位(特に顔や手など)に過剰な毛が生えることがあります。

血管や心臓に関わる症状

内服のミノキシジルは外用よりも血管を拡張させるため、むくみ、頻脈、低血圧、心不全などの副作用が報告されています。

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AGA薬の副作用は個人差があり、全ての人に発生するわけではありませんが、初期症状を見逃さないことが大切です!

フィナステリドとデュタステリドの副作用比較

フィナステリドとデュタステリドは、どちらも主にAGAや前立腺肥大の治療に使われる薬で、5αリダクターゼ(5α還元酵素)阻害薬です。この2つは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素を抑制し、脱毛や前立腺の肥大を防ぐ効果がありますが、それぞれの薬には異なる特性や副作用があります。

フィナステリドは「5αリダクターゼ」のⅡ型を選択的に抑制します。

一方、デュタステリドは、フィナステリドに比べてⅠ型およびⅡ型両方の「5αリダクターゼ」を抑制するため、より強力な作用を持っています。主に前立腺肥大症の治療薬として使用されますが、男性型脱毛症の治療にも使用されることがあります。

併せて読みたい!5αリダクターゼとは?Ⅰ型・Ⅱ型って何?AGA内服薬の仕組みをおさらい

AGA薬で体の毛が薄くなるってホント? 体毛の変化

フィナステリド
DHTが体毛の成長に関与しているため、DHTが抑制されると体毛の成長が鈍る可能性があります。ただし、フィナステリドの効果は頭皮のDHTに主に作用するため、体毛への影響は比較的軽度であるとされています。具体的には、フィナステリドを服用している間に体毛の変化を報告する人は少ないですが、まれに体毛が薄くなる、または遅くなると感じる人がいます。フィナステリド1 .0mg/日を服用している男性の0.1%未満が体毛の減少を経験することが報告されています。さらにごく一部において多毛症(体毛の増加)の報告もありますが、その発生率は極めて低いです。
デュタステリド
デュタステリドは、フィナステリドよりも広範囲に5α還リダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方を抑制します。このため、デュタステリドはフィナステリドよりも強力にDHTを抑える効果があり、その結果、体毛への影響がフィナステリドと比較して、より顕著です。およそ1〜2%の使用者が体毛の減少を経験していると報告されています。ごく一部の服用者からは、腕や脚の毛が目に見えて薄くなる、または生えなくなったと報告もあります。さらにフィナステリド同様多毛症の報告も一部ありますが、やはり発生率は極めて稀です。
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フィナステリド: 体毛の減少は稀で、0.1%未満の発生率
デュタステリド: 体毛の減少がやや多く、1-2%程度の発生率

体毛への影響は、一般的には軽微のようですね。フィナステリドでは、体毛の減少が報告される割合は非常に低く、デュタステリドの方がやや高い発生率を示していますが、それでも数%に留まります。

体毛の変化に関しても個人差が大きいため、具体的な影響は人によって異なります。服用中に異常な変化を感じた場合は、医師に相談しましょう。

AGA薬で勃たなくなる? 性欲減退、勃起不全(ED)など生殖器障害

フィナステリド
主な性機能の関する副作用は、 一部の男性において、薬の使用中に性欲の減少、勃起の維持や勃起自体が難しくなる症状(勃起不全<ED>)が報告されています。さらに一部のケースでは、射精の質の低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)の問題が生じることもあります。
これらの副作用の発生率は比較的低いとされていますが、具体的には:
性欲減退の発生率: 約1.8%。
勃起不全(ED)の発生率: 約1.3%。
射精障害の発生率: 約1.2%
とされています。
デュタステリド
フィナステリド同様の症状が報告されています。デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも強力な効果を持つとされています。それに伴い、副作用の発生率もわずかに高い可能性があります。

具体的には:
性欲減退の発生率: 約3%。
勃起不全(ED)の発生率: 約3%。
射精障害の発生率: 約1.5%。
程度とされています。

一部の研究では、フィナステリドやデュタステリドの使用後に性機能の副作用が長期間続く「ポスト・フィナステリド症候群(PFS)」の存在が議論されています。ただし、この症状についてはまだ科学的な立証がされておらず、因果関係については不明確です。

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フィナステリドとデュタステリドはどちらも性機能に関する副作用を引き起こす可能性があり、デュタステリドの方が発生率がやや高いとされています。ただし、これらの副作用は一般的には少数の患者にのみ現れ、薬の中止によって改善するケースが多いです。もしこれらの副作用が気になる場合は、医師と相談し、適切な対策を講じることが重要です。

仮にフィナステリドでEDが起こったとしても、バイアグラなどのED治療薬を用いて治療できます。医師の指導のもとであればフィナステリドとED治療薬の同時服用は可能です。

AGA薬でうつになる? 精神的な影響

フィナステリド
使用者の中で抑うつ症状不安感、さらには自殺念慮が報告されています。特に、若年男性を中心に精神的な影響が問題になるケースが増加しているとされます。抑うつ症状が起こる具体的なメカニズムは明らかではありませんが、体内のホルモンの変動が、脳内の神経伝達物質のバランスにも影響を及ぼし、特にセロトニンやドーパミンといった気分に関与する物質のレベルが変動することが考えられます。また前述した身体的副作用や、期待される効果が得られない場合、その失望感や無力感といった心理的ストレスもうつ症状を引き起こす要因となるとされています。
具体的な発生頻度は、一般的には1%未満〜2%未満の患者で抑うつ症状が現れるとされています
デュタステリド
フィナステリド同様の症状が報告されていますが、フィナステリドより強い効果があるため、影響がより広範囲に及ぶ可能性があります。
発生率については、ある研究ではデュタステリドを使用している男性の約4%が抑うつ症状を報告していますが、他の研究では2〜5%の範囲で変動しています。このため、フィナステリドよりもやや高い頻度で抑うつが生じる可能性が示唆されています。
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フィナステリドとデュタステリドのいずれも、抑うつ症状という精神的な副作用が報告されていますが、デュタステリドの方がやや高い発生率を持つ傾向があります。さらに、既に抑うつ傾向がある人がフィナステリドを使用する場合、その症状が悪化するリスクも考慮する必要があります。
薬の選択に際しては、特に精神的な健康状態を慎重に考慮し、必要に応じて医師に相談することをお勧めします。

AGA薬で胸が女性化? 乳房の痛みや腫れ

フィナステリド
体内のジヒドロテストステロン(DHT)レベルが低下することで、エストロゲンが相対的に多くなります。エストロゲンは乳腺組織の発達を促進するホルモンであり、この作用が乳房肥大を引き起こす可能性があります。(男性でも皆女性ホルモンを持っています。普段は男性ホルモンが優位にあるため、その性質が出ることはありません。反対に女性も皆男性ホルモンを持っています)
乳房肥大は、フィナステリドの服用による比較的まれな副作用ですが、報告されています。通常は軽度であり、乳房の片側または両側が軽く腫れたり、痛みや圧痛が伴うことがあります。重度の乳房肥大やしこりの発生は0.1%〜1%未満とかなり稀です。
デュタステリド
デュタステリドにおける乳房の痛みや腫れの発生率も比較的低く、こちらもおよそ 1%未満 とされています。フィナステリドよりもやや強力な薬剤であるため、ホルモンへの影響が少し高いと考えられますが、フィナステリドと同程度の頻度で発生します。

AGA薬で肝臓が悪くなる? 肝臓機能障害のリスクと安全性

フィナステリド
フィナステリドは主に肝臓で代謝されます。臨床試験や実臨床で報告されている肝機能障害は、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、肝炎、肝障害に関連する疲労感や黄疸などですが、これらの副作用は稀であり、一般的には1%未満とされています。ただし、既に肝臓に問題を抱えている人や長期に渡って使用している人は、影響が出やすい可能性があります。
デュタステリド
デュタステリドにおける肝機能障害の発生率もフィナステリドと同様に低く、1%未満であるとされています。肝臓への影響を考慮し、肝機能に既往歴のある人や長期間の使用が予定される人は、フィナステリド同様注意が必要です。
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フィナステリドとデュタステリドは共に肝臓で代謝されるため、肝機能に対する負担はありますが、その影響は稀のようですね。ただし、たとえ稀でも肝機能への副作用は重大事案です。肝臓の機能を表す数値は基本血液検査でしか分かりませんが、体に現れる初期症状(疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振)が出た方、肝臓に既往症がある方は使用を中止し、医師の指導を仰ぐことが重要です!

フィナステリドとデュタステリドの副作用 まとめ

フィナステリドもデュタステリドも0.1%〜5%の割合で副作用が発生することが分かりました。それでは0.1%〜5%という数字が実際どのような程度なのでしょうか。

市販の風邪薬で体に発疹が出たり、お腹が痛くなったりするのと同じくらい

まず、0.1%という数字は1,000人に1人の割合です。これは風邪薬に例えると、「パブロン、タイレノール、ルルAゴールド」などのアセトアミノフェン含有薬において、発疹などのアレルギー反応が出る割合と似ています。

次に、前述の副作用発生率でよくみられた1%という数字ですが、これは100人に1人の割合です。例えば、「イブA錠」などイブプロフェン配合の風邪薬において、発疹や胃腸障害が発生すると言われている割合に近いです。

そして、調べた中でもっとも高い5%という数字は、100人のうち5人という割合です。例えば「ベンザブロックS」などデキストロメトルファンを含む薬において、眠気、めまい、吐き気が引き起こされる割合に近いようです。

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薬の副作用の出方は人それぞれですよね。市販薬にも副作用はありますし、処方される風邪薬もよく医師や薬剤師の方から「眠くなるかもしれないよ」と言われることがあります。しかし特別な理由がない限り、副作用を恐れて薬を摂取しないという選択はしないのでは、と思います。

製薬会社が発表している発生率

筆者が前述した発生率は、文献やAGA病院のサイトなどを参考に書きましたが、実際にフィナステリドとデュタステリドを製造(販売)している製薬会社が発表いている副作用の内容と発生率も確認してみました。

日医工株式会社のフィナステリド錠 (フィナステリド錠 0.2mg「NIG」・フィナステリド錠 1mg「NIG」)

1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮
腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を
含む)
生殖器リビドー減退注1)
(性欲減退)
勃起機能不全注1)、射精
障害注1)、精液量減少
睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精
液の質低下(精子濃度減少、無精子
症、精子運動性低下、精子形態異常
等)注2)
肝臓AST 上昇、ALT 上昇、γ-GTP 上昇
その他乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、
めまい
注 1)市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。
注 2)本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。
出典:日医工株式会社 フィナステリド インタビューフォーム

東和薬品株式会社のデュタステリド (デュタステリドカプセル0.1mgZA/0.5mgZA「トーワ」、デュタステリド錠
0.5mgZA「トーワ」)

1%以上1%未満頻度不明
過敏症発疹蕁麻疹、アレルギー反応、そう
痒症、限局性浮腫、血管性浮腫
精神神経系頭痛、抑うつ気分浮動性めまい、味覚異常
生殖系
及び乳房障害
性機能不全(リビドー減退、
勃起不全、射精障害)注)
乳房障害(女性化乳房、
乳頭痛、乳房痛、乳房不
快感)
精巣痛、精巣腫脹
皮膚脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
消化器腹部不快感腹痛、下痢
その他倦怠感、血中 CK 増加
注)投与中止後も持続したとの報告がある。
出典:東和薬品株式会社 デュタステリド インタビューフォーム

数字が全てではない 自分の体調や気分をよく観察してみよう

本、病院が掲載している情報、製薬会社の情報いずれも副作用の発生率は多くても5%前後で、その多くは1%前後のようですね。つまり過度に心配しすぎることは不要です。あるAGA治療院では、副作用が出た治療患者の91%が治療を継続したという報告があります。いずれも副作用が軽度で、それよりも治療を優先したからです。

薬の副作用の出方は人それぞれなので、自分の体に正直に耳を傾けることも大切です。発生率の数字はあくまで目安で、実際の発生率は個々の患者の健康状態や使用する薬剤の量、その他の要因により変動することがあります。


フィナステリドもデュタステリドもいずれも男性ホルモンであるテストステロンとジヒドロテストステロンの量に変化を起こす薬です。筆者は女性ですが、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは1ヶ月という短い期間にジェットコースターの一番上と一番下くらいの差で体内の量が変化します。しかも本当にジェットコースターみたいに急激に高低差がスイッチします。それによって引き起こる体調不良や気分消沈は、男性でもご存知の方も多いのでは。ホルモンバランスを変動させるということは、体だけでなく気持ちにも変化を引き起こすことがあることを覚えておきましょう

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薬の服用を始めた後は、定期的に医師の診察を受け、副作用の有無や治療効果を確認することが大切です!

万が一、副作用の初期症状に気づいた場合、その症状や経過を記録し、医師に相談する際に伝えると、適切な対処法を見つけやすくなりますよ。

また、健康な生活習慣も大切です。バランスの取れた食事や適度な運動、ストレス管理は、副作用を軽減し、治療効果を高める可能性があります。

ミノキシジルの副作用を詳しく知る

続いてミノキシジル(外用)の副作用についてです。外用とは、つまり育毛剤などの「塗り薬」です。日本では、一般的に男性用育毛剤には5%のミノキシジルが多く使用され、女性用育毛剤には1%または2%のミノキシジルが含まれています。これらの製品はドラッグストアやオンラインで購入可能です。そのため誰でも気軽に試すことができますが、一方で副作用も報告されています。なおミノキシジル濃度6%以上は医師の処方箋が必要となります。

市販の育毛剤でミノキシジルを含む製品には、以下のようなものがあります。

商品名
/発売会社 
ミノキシジル濃度
リアップ(Riup
/大正製薬
1%(女性用)、1%・5%(男性用)
ロゲイン(Rogaine)
/ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)
2%(女性用)、5%(男性用)
ミノキファイブ(Minoxi5)
/アンファー株式会社(スカルプD)
5%
ヒックスミノキシジルファイブ(Hix Minoxidil 5)
/シオノケミカル株式会社
5%
リザレックコーワ
/興和株式会社
5%
アロゲイン5
/佐藤製薬株式会社
5%
*ミノキシジルは第1類医薬品のため、市販品でも医師または薬剤師による適正使用の確認が完了してからでしか購入できません。
オンライン購入の場合、オンライン上で適正使用の確認ができることがほとんどです。

ミノキシジル(外用)で頭皮が痒い? 頭皮のかゆみ、赤み、乾燥

外用のミノキシジルはを使用すると、頭皮にかゆみ、赤み、乾燥などの副作用が起こることがあります。これらの副作用は、特に使用を開始した最初の数週間に見られることが多いです。副作用の発生率は個人差がありますが、一般的には以下のようなデータがあります。

  1. かゆみ: 一部のユーザーでかゆみが報告されており、発生率は約3〜5%とされています。
  2. 赤み: 頭皮の赤みも見られることがあり、これも同様に数パーセントのユーザーに影響を及ぼすことがあります。
  3. 乾燥: 乾燥は比較的一般的な症状で、特に敏感肌の人に多く見られることがあります。

これらの副作用は通常一時的であり、使用を続けることで改善することが多いですが、症状が重度または持続する場合は、使用を中止し、医師に相談することをおすすめします。また、特定の製品に含まれる成分によっても副作用の発生率が異なることがあるため、製品の成分に注意を払うことも大切です。

ミノキシジル(外用)でめまいが? 低血圧

外用ミノキシジルに関する副作用の中で、低血圧は稀な副作用とされています。一般的に、外用ミノキシジルの使用による低血圧の発生率は非常に低く、臨床試験では報告されることはほとんどありません。ただし、使用方法や個人の体質によって異なる場合があるため、注意が必要です。

ミノキシジルは血管拡張作用があり、内服薬として使用される場合には、低血圧や心拍数の変動が起こる可能性があります。外用の場合、全身への吸収が限られているため、内服薬に比べて副作用のリスクは低いとされていますが、使用中に異常を感じた場合は医師に相談することが重要です。

ミノキシジル(外用)で毛が濃くなった? 多毛症

外用ミノキシジルの副作用の一つとして、多毛症が報告されています。多毛症は、特に顔や体の非生殖部位に毛が増えることを指します。

外用ミノキシジルによる多毛症の発生率は、製品や使用条件によって異なりますが、一般的には以下のような範囲で報告されています:

  • 外用ミノキシジルを使用した場合の多毛症の発生率は、約1%から3%程度とされています。具体的には、5%濃度の製品を使用した場合、若干高い発生率が見られることがあります。

この副作用は、一時的なものであることが多く、使用を中止すると改善されることが一般的です。ただし、個人差があるため、心配な場合は医師に相談することをお勧めします。

ミノキシジル(内服)で心臓破裂?! 血管や心臓に与える影響

実はミノキシジルは外用のほか、内服(飲み薬)もあります。しかし薄毛治療薬として厚生労働省の認可を受けていないため、一般の皮膚科などで入手することはできません。薄毛治療を行っている美容クリニックや、AGA専門のクリニックで医師に処方してもらう必要があります。

ミノキシジルはもともと、血管を拡張させて高血圧の飲み薬として開発されました。そのため外用と比べて、血管や心臓に対して副作用を引き起こす可能性があります。

低血圧

ミノキシジルは血管拡張剤であり、血圧を下げる作用があります。一般的には、低血圧の症状(めまい、立ちくらみなど)は1%未満とされ、比較的少ないですが、特に高用量で使用する場合や他の降圧剤と併用する場合に注意が必要です。

頻脈(心拍数の増加)

血管を拡張させることで血圧を下げる作用があり、その結果として心臓がより多くの血液を送り出そうとするため、心拍数が増加することがあります。。頻脈はミノキシジルの一般的な副作用として報告されています。報告や研究によりますが、一般的には10%前後の割合で発生します。

心不全

血管を拡張する作用や、これにより血圧を下げる効果がありますが、過度の血管拡張は心臓に負担をかけることがあります。心不全の発生は稀ですが、既往症のある人には注意が必要です。特に心臓に既往症がある患者では、心不全のリスクが増加する可能性があります。心不全に限った具体的な発生率は見つけられませんでしたが、心不全を含む重篤な副作用の発生率は、1-5%程度とされることが多いです。

むくみ

ミノキシジルは血管拡張剤であり、血管を広げることで血圧を下げる作用があります。この作用により、血流が改善される一方で、体内の水分が保持され、浮腫が発生することがあります。浮腫は、特に足首や手足に見られることが多いです。その他の症状としては、体重の急激な増加や、関節の痛みが伴うこともあります。むくみはミノキシジル一般的な副作用の一つであり、特に高用量使用時に多く見られることがあります。その発生率は、使用する際の用量や個々の体質によって異なりますが、約10%から20%とされています。

抑うつ症状

ミノキシジルによるうつ症状の具体的な発生率は、明確には示されていないことが多いです。うつや不安が報告されることはありますが、その頻度は一般的に非常に低いとされており、フィナステリドやデュタステリドと比べても、さらに稀である印象です。

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ミノキシジルは、降圧剤として開発されましたが、男性型脱毛症に対する治療薬としては認可されていません。また、臨床試験が十分に行われておらず、副作用のリスクが完全に把握されていない可能性があるため、厚生労働省で認可されていません。

内服ミノキシジルにおいては、頻脈とむくみが他の副作用と比べて高い割合で発生しやすいので、頻脈とむくみの可能性を理解しつつ、かつ定期的に医師に相談しながら使用し、重篤な場合はすぐに相談しましょう。

内服ミノキシジルは特に、心血管系の病歴がある場合には医師の指導の下で使用し、定期的に血圧や心機能のモニタリングが必要です。また、副作用が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談することが重要です。

市販の外用ミノキシジルは、副作用が起こることを理解しておけば、過剰に心配しなくてもよいかと感じました。ただし外用ミノキシジルでも6%以上は医師による処方箋が必要になりますので、副作用についてもきちんと理解することが大切です。

副作用以外の注意点

副作用以外にも注意すべき点がいくつかありますので、主なものを以下に挙げました。

フィナステリドとデュタステリド

1.妊娠中・授乳中の女性、および未成年男性の服用は禁忌

フィナステリドとデュタステリドは男性ホルモンのバランスを調整する薬です。このため胎児や授乳中の乳児・成長期にいる男性の、性徴に影響を及ぼす可能性があるため、絶対に服用してはいけません。なお、妊娠・授乳していない女性でも、女性の薄毛に対しての効果が立証されていないため、女性は服用できません

2. 妊娠中・授乳中の女性の接触回避

  • フィナステリドとデュタステリドは、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、特に女性が妊娠している、または妊娠の可能性がある場合には、薬に触れないようにする必要があります。
  • 授乳中の乳幼児についても同様に悪影響を及ぼす可能性があるため、授乳中の女性にも禁忌です。
  • 通常フィナステリドやデュタステリドはコーティングされているため成分が漏れ出すことはありませんが、欠けていたり割れていたりすると皮膚から成分を吸収してしまうため、特に注意が必要です。

3. 効果の遅れ

  • 効果が現れるまでには時間がかかることが多く、通常は3~6か月の継続使用が必要です。そのため、短期間で効果を期待してすぐに服用をやめるのは効果的ではありません。

4. 長期服用の必要性

  • 服用を中止すると、治療前の状態に戻る可能性が高いため、効果を維持するためには長期的に服用を続ける必要があります。したがって、ライフスタイルや長期服用のコストも考慮しましょう。

5. 他の薬との相互作用

  • 他の薬(特にホルモン治療薬や肝代謝に関与する薬)との相互作用が考えられるため、併用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談が必要です。

6. 前立腺がんのスクリーニングへの影響

  • PSA(前立腺特異抗原)値がこれらの薬によって約半分に低下するため、前立腺がんのスクリーニング結果に影響を与える可能性があります。フィナステリドやデュタステリド服用中に血中PSA値を測定する場合は、PSA値を約2倍に換算するなど、影響を考慮する必要があります。

ミノキシジル

1. 心臓病や高血圧の既往歴

心臓に関する病気や高血圧症がある場合は、使用前に医師に相談することが必要です。

2. 他の薬との相互作用

他の薬を服用している場合、特に高血圧や心臓疾患の治療薬との相互作用に注意が必要です。

3. 適切な使用量

指定された用量を守り、過剰摂取しないことが重要です。

4. 長期服用の必要性

効果が現れるまでに数ヶ月かかることがあるため、根気よく続けることが大切です。

5. 塗布部位の衛生

頭皮や肌を清潔に保ち、感染症を防ぐために清潔な手で塗布しましょう。

6.妊娠中・授乳中の使用

妊娠中または授乳中の方は、胎児や赤ちゃんに対するミノキシジルの安全性が不明であるため、内服薬・外用薬ともに使用しない方がよいでしょう。

AGA治療薬の副作用に対する解決策

フィナステリド/デュタステリドと、ミノキシジルはいずれも薄毛治療薬ですが、薄毛へのアプローチ方法が全く異なります。なので起こりうる副作用もそれぞれ異なることが分かりました。

副作用が出るか・出ないか、どのように出るかは、個人によって異なるため一概には言えませんが、内服ミノキシジルの”頻脈”と”むくみ”以外は、一般的に副作用発症率が市販の風邪薬程度のようです。つまり過剰に心配しずぎる必要はありません

副作用が出ても症状が軽度であれば、しばらく経過を観察し、改善が見られない場合や悪化する場合や、発症率が低くても副作用の内容が重篤な場合もありますので、その場合はすぐに医師に相談しましょう。どうしても薬が合わない場合や、副作用が大幅に出てしまった場合は、薬を使わない治療を検討するのも手です。

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どんな薬でも副作用はつきものです。副作用のリスクと薄毛への効果を比較すると…多くの人は薄毛への効果をとるのではないでしょうか。副作用のリスクを恐れるよりも、副作用の内容を理解した上で、使用することが何より大切なんですね。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!AGA治療薬を使ってみたいけど副作用が心配な方、市販の外用薬をすでに使用しているけど、副作用大丈夫なのかな…などもっと知りたいという方のお役に立てれば幸いです。

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